2024年6月より、博多南駅前ビルの屋上(4階)で「湿地帯ビオトープ」をつくっています。
ビオトープとはドイツ語の「biotop」のことで、もともとはギリシア語で命(bio)のある場所(topos)、つまり「生き物の生息場」という意味です(引用|自宅で湿地帯ビオトープ/大和書房)。
今回育成しているビオトープは、その中でも「湿地帯」ビオトープ。水場を組み込んだ生き物の生息場です。特に、那珂川市内同じ水系の動植物にこだわり、移植しています。無理に生き物を入れるのではなく、自然に生き物が来訪するような場所として見守っています。
はじめての冬を越し、泥の中で眠っていたヤゴが春になって顔を出してきました。冬を越す生き物の居場所にもなれたようです。今後も引き続き生き物たちの暮らしをみまもりつつ、那珂川市の自然の縮図になるような場所を目指します。
名称|博多南湿地帯ビオトープ powered by Nature Dive Lab
場所|博多南駅前ビル4階 旧エディブルガーデンエリア
運営|こととば那珂川、Nature Dive Lab
アドバイザー|
中島 淳 氏(福岡県保険環境研究所 専門研究員/博士(農学))
設営の様子などはこちらのnoteに記録しています
<池の名称について>
■エレベーターホールから見て手前側の池
愛称|ひめ
形式|コンテナ埋め込み型
特徴|四方を植物に囲まれ、中が見えにくい構造の人工池。人知れず地下茎を張り巡らすヒメガマが池を見る人の視界を遮ります。水中を這うように増えていくミズユキノシタ、植物の間を縫うように伸びるノチドメ、影にそっと生えるニョイスミレなど、探せば探すほどその秘めたる魅力に魅了される池です。
■エレベーターホールから見て奥側の池
愛称|しのび
形式|コンテナ埋め込み型
特徴|通路にひらかれた観察しやすい人工池。忍者の道具「撒菱(マキビシ)」として使われたとされるヒシをメインにタデ類が並びます。秋になると花をつけたり紅葉したり枯れたりと雰囲気が変化する魅力をもちます。また、季節によっては水中の呼吸根(浮根)を間近で観察することができます。
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この1年近く、土の中に眠っていた植物の種や風に飛ばされてやってきた種たちが芽ぶき、トンボがきてヤゴが育ったり、蝶がきてイモムシが生まれたり、バッタの住処になったり、虫を狙って小鳥が飛んできたり、着実に生きものたちのすみかとして育まれています。
また、やまももの森プロジェクトの方より那珂川市の木であるヤマモモを1株譲っていただき、しのび池の隣に植えています。数年後には、ヤマモモの収穫ができるようになるかもしれません。今年の冬は、博多南自然体験農園のビオトープよりアカガエルの卵をお借りし、カエルになるまで見守ることができました。今後も各所と連携しながら、那珂川の自然を間近に観察できる場所として整えていきます。
4階奥の庭園部分とも連携しながら、街中のビルの屋上で「自然体験ができる」「生き物観察ができる」そんな場所になっていくといいなと見守っています。
ご来館の際には、是非4階にも足をお運びください。
<お願い>
池に、石を投げ込んだり植物をちぎっていれるといったことが続いています。水の中には目には見えないかもしれませんが、小さな生き物がたくさん暮らしています。大切に見守っていますので、池に物はいれずに覗き込んで観察してください。
整備前の様子
現在の様子
\先日取材していただきました!/
「博多駅から1駅!駅ビル屋上に湿地帯ビオトープ!?」
by 生物多様性チャンネル〜ぐっちゃんちのビオトープ〜
—お問い合せ―――
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