驚きや発見、わくわくを共有したものづくりコンテスト。
審査会ではどのように心を動かされたのかを深堀り、賞への想いを込めました。
9月17日、コンテスト審査会を開催し、賞の受賞者が決定しました。
審査員は大人審査員7名と子ども審査員1名。作品ひとつひとつとじっくり向き合い、心動かされた点など対話をしながら審査を行いました。そして、子どもたちが作った作品に刺激を受けて、審査員も思いを伝えるべく工夫を凝らした賞が揃いました!
今回のコンテストにおいて大切にしてきた視点は『心が動いたかどうか』です。
審査員で話し合い、テーマとした心の動きは次の6つ。ショック、わくわく、0から生み出す発想やアイデアへの感動、あたらしいたのしいをつくる、細部へのこだわりへの興奮、あこがれ。
これまでにはなかった、作品の楽しみ方で、作品の種類も作風も使用する材料やテーマもさまざまな作品に、審査会も不思議な熱気を帯びたまま進んでいきました。
ものづくりには、作る人のさまざまな視点や感性があり、また受け取る人、観賞する人の感情や興味が加わり、どんどんと育っていくのだということを実感しました。
本当に真剣にも愉しい審査会となりました。応募してくださったみなさんに改めて感謝いたします。
審査会後の展示(こととばギャラリーにて)でもたくさんの方が鑑賞され、それぞれに楽しまれていたようでした。
それでは、以下に審査結果をお知らせいたします。
各賞の受賞候補者に選ばれた作品名も<ノミネート作品>として記載しています。
受賞とはならなかった作品にも大いに心を動かされました。ありがとうございました!
◎小さな岡本太郎賞
ノミネート作品:「ワンピースのウタ」「鰤」「街」
【作品名】『サメ』
【作者名】 けいしん
代表審査員 夏目ちひろ(虚虎)
(賞解説)
芸術作品には言葉では言い表せないような力があって、ふと出会ってしまった時には、ビビビとしびれてしまうような感覚をうけることがあります。その気持ちは何とも言えずただただショックを受け立ち尽くす、そんな感覚です。今回の『サメ』は、過去に岡本太郎氏の作品に触れた時のようなショックを思い出させてくれるような作品でした。
◎私の芸術賞
ノミネート作品:「カラフルZOO」「宇宙の旅」「サメ」
【作品名】『ショータイム!』
【作者名】 RiO
代表審査員 EREN(子ども審査員)
(賞解説)
作品に向き合う時、そこには作品と自分だけの世界です。作品の前に立ったとき、何かつい足が止まってしまったらじっと見つめてみてください。何か心が動いた瞬間です。わくわく、ざわざわ、もやもや、どんな心の動きもその作品を好きになるきっかけかもしれません。誰に決められることでもなく、自分の好きなものは、自分で決めたい!そう思わせてくれる作品でした。
◎職人の技賞
ノミネート作品:「おめかしちょ金ばこ」「カラフルZOO」「サメ」
【作品名】『宇宙の旅』
【作者名】 かなで
代表審査員 宮嵜博典(汗まみれ職人集団)
(賞解説)
ものづくりにおいて、技を極めること、これは実はとても難しいことです。なぜなら、技というのは、学び、やってみて、違っていたらやり直し、繰り返し続けていく必要があるからです。ついつい途中で正解のような何かにたどり着いたときに満足しがち。それでも自分の好きな気持ちに真摯に向き合い、「職人」といえるところまで続けていった先に、その人だけが持っている美しい創造力があるのだと思います。
◎君の好きな花賞
ノミネート作品:「サメ」「ショータイム!」「宇宙の旅」
【作品名】『おめかしちょ金ばこ』
【作者名】 三ヶ尻葵彩
代表審査員 後原宏行、末永禎治(カラクリワークス株式会社)
(賞解説)
芸術、ものづくりでは2つの視点がいったり来たりしながらどんなふうに混ざり合うかでできてくるものが違ってくるのではないかと思います。1つは日常では見つからない、見えづらいものを想像し自分の世界を広げていくこと。そしてもう1つが日常の中にあるものをじっと見つめ、そこに少しの、時にびっくりするような何かを組み合わせることで新しい世界が立ち上がってくること。今回は発想や創造で今日が明日が豊かになるような作品に出会えました。
◎KENTAS賞
ノミネート作品:「ひまわり」「街」「ふくろうの焼き芋屋さん」
【作品名】『ワンピースのウタ』
【作者名】 家藤琉花
代表審査員 村松健太(株式会社KENTAS)
(賞解説)
作品の楽しみ方にはさまざまな方法があります。展覧会で通りがかって遠目にみることもあれば、つい立ち止まってしまってじっと眺めること、家に飾って毎日のように見ること、触ってみること、印刷された作品集といった出会い方もあるでしょう。誰がどんなふうにその作品に出会ったとしても、細部へのこだわりに作品に奥行きを与えてくれます。懸(KEN)命に作品に向き合い、この作品にプラス(TAS)を生み出すやり抜く力、作品からびしびし感じました。
◎キラッとうらやま賞
ノミネート作品:「ワンピースのウタ」「ひまわり」「カラフルZOO」
【作品名】『鰤』
【作者名】 村上貴彦
代表審査員 吉井陸人・坂井安奈(こととば那珂川)
(賞解説)
作品を通じてだったら受け止められるきもち、認められるものというのがあるように思います。
ついつい常識や”みんなの”価値観に縛られて、自分の信じるそれとは違うことに踏み出す勇気を持てなくなってしまうものです。大人になると特に。違う方が良い、といってしまうとそれもまた価値観の押し付けで胸が痛い。作品がただそこにある、そのことが心を豊かにしてくれるのです。
うらやましい!!の心が止まりませんでした。
8名の審査員
末永 禎治(すえなが さだはる)(カラクリワークス株式会社)
ファンシークリエイター。fancy(空想・想像)の力でより楽しい生活を!
後原 宏行(せどはら ひろゆき)(カラクリワークス株式会社)
バーから郷土文具店まで、どんどんつくる。ただただ広義に何かつくりたい人。
夏目 ちひろ(なつめ ちひろ)(虚虎)
余白と間を愛するグラフィックアーティスト。
宮嵜 博典(みやざき ひろのり)(汗まみれ職人集団)
子どもたちのものづくりを応援する心はあっつあつ!頼れるまちの大工さん。
村松 健太(むらまつ けんた)(株式会社KENTAS)
作るのは家にとどまらない。少年の心を忘れないクリエイティブ工務店。
EREN(こども審査員)
絵を見ることも描くことも大好き。アートのまち那珂川を夢見る中学生。
吉井陸人(こととば那珂川)
元映画館スタッフ。映画にまつわるpodcast番組を配信している。
坂井安奈(こととば那珂川)
農家でもある。那珂川市内でアスパラガスなどの野菜を作っている。
▼表彰式
日時:2022年10月22日(土)13:30~(30分程度)
場所:博多南駅前ビル1階多目的ホール
(コンテスト参加者には参加賞としてささやかなプレゼントをご用意しています。賞の受賞に関わらずぜひご参加ください!)
創作することやそれを鑑賞することの素晴らしさ、
お問い合わせはこちらから
主催:博多南駅前Hug組(博多南駅前ビル管理者)
協力:汗まみれ職人集団、カラクリワークス株式会社、株式会社KENTAS、虚虎